世の中に 絶えて桜のなかりせば 2010/02/28 (Sun)

春の心は　のどけからまし　

在原業平朝臣の有名な歌ですねぇ…
いやはや、本当に待ち遠しい。
いよいよ明日から3月ですものww
桜が待ち遠しい方に、一寸おすそわけ!!
←蜂須賀桜

本日某所で見つけて思わず（笑）
在原業平いわく、はやる気持ちは抑えられません（笑）
今の時期に咲いてるってことは…彼岸桜かしら?
これ、蜂須賀桜って云います。
はい、蜂須賀ゆかりの桜だそうです（笑）
如何にもわびさびのソメイヨシノも良いですけれど、
こっちの方は色も濃くて何だか艶っぽい（笑）
まだまだ三分咲き程度ですけれど、
いやぁ、ウキウキしますw
春が来たなぁ…って実感。

もう一つ!!
「花」が平安時代では主に桜、奈良時代は梅であった、
…ていうのは有名な話です。
…まぁそういう小ネタはともかく。
もう1枚、はやる気持ちの方へのおすそわけ（笑）
←自宅付近にて、桜みたいな色の梅v

古今集にこんな歌があります。

春の夜の　やみはあやなし　梅花
　色こそ見えね　香やはかくるる　　

同じく古今集の凡河内躬恒の歌です。
画像とは全然シチュエーション違うんですけれど（笑）
…いや、風情があるなって思いました。

簡単に言うと、
「春の夜はわけがわからない。
（闇にまじって）梅の花の色は見えないのだけれど、
香りが（闇に）隠れようか、いや、隠れまい。」
という感じの事を歌ったもの。
夜だからあたりは暗く、「梅の花の姿」は見えないけれど、
あたりに漂う芳しい梅の花の匂いは、
確かに花の存在を告げている…という状況でしょう。

確かに梅の花の匂いって、
夜なんかにふっと香ってくるんですよ。
わざわざ人の不意を突いてきたのではと思うような感じで（笑）
そういう時ってちょっとだけドキッとします（笑）

春になると何だかそわそわするって云うのは、
1000年前も今も変わってないんだなぁと、感慨深いものを感じます。
確かに、花を見て連想することには、今と昔とでは違う事が多々あります。
でも、たとえ連想することが違っていても、
桜の花や梅の花を見て感じることは多分きっと、
日本人の精神に組み込まれた「わびさび」の部分であり、
日本人以外の人とは、なかなか共有しがたいものであるわけで。
そう云う日本人たる故の心の機微に触れることがあると、
自分は日本人で良かったと、思わずにはいられません。